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年金繰下げ受給損益分岐点

年金を70歳まで繰下げると本当に得?
損益分岐点と受給額をわかりやすく解説

読了目安:約7分 2025年度の情報をもとに作成

「年金は70歳まで待った方が得らしい」そんな話を聞いたことはありませんか?

繰下げ受給とは、本来65歳から受け取れる年金を後ろにずらして、その代わり毎月の年金額を増やす制度です。最近は繰下げ受給を選ぶ人が増えています。

しかし、本当に得なのか・何歳まで生きれば元が取れるのか・自分には向いているのかまではよく分からない人も多いでしょう。この記事では受給額・損益分岐点・向いている人について詳しく解説します。

目次

  1. 1. 年金の繰下げ受給とは?
  2. 2. 70歳・75歳まで繰下げると何%増える?
  3. 3. 損益分岐点は何歳?
  4. 4. 日本人の平均寿命と繰下げの関係
  5. 5. 繰下げ受給が向いている人
  6. 6. 繰下げ受給が向いていない人
  7. 7. 繰下げと繰上げはどちらが得?
  8. 8. よくある質問
  9. 9. まとめ

年金の繰下げ受給とは?

公的年金は原則65歳から受け取れます。しかし希望すれば、66歳〜75歳まで受給開始を遅らせることができます。これを「繰下げ受給」といいます。

通常受給

65歳

から受け取り開始

繰下げ受給

66〜75歳

遅らせるほど増額

繰下げすると、その分だけ毎月受け取れる年金額が増えます。老後が長くなるほど影響は大きくなります。

70歳・75歳まで繰下げると何%増える?

年金は1か月繰下げるごとに0.7%増額されます。繰下げ期間が長いほど増額率は大きくなります。

70歳まで繰下げ(60か月)

42%

増額

0.7% × 60か月

75歳まで繰下げ(120か月)

84%

増額

0.7% × 120か月

例えば65歳時点での年金額が月15万円だった場合を見てみましょう。

65歳受給

月額

15万円

年間

180万円

70歳受給

月額

21万3,000円

年間

255万6,000円

75歳受給

月額

27万6,000円

年間

331万2,000円

70歳受給と65歳受給の差額は年間75万6,000円。老後が長くなるほど影響は大きくなります。

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損益分岐点は何歳?

最も多い疑問が「何歳まで生きれば得なのか?」です。65歳から受け取るか、5年間受け取らずに42%増額するかの差を計算すると、一般的には81歳〜82歳前後が損益分岐点になります。

80歳まで生きた場合

65歳受給の方が有利

81〜82歳前後

損益分岐点(ほぼ同額)

85歳まで生きた場合

ほぼ同程度〜やや70歳有利

→→

90歳以上生きた場合

70歳受給の方が有利

日本人の平均寿命と繰下げの関係

厚生労働省によると、日本人の平均寿命は以下のとおりです。

男性

約81

女性

約87

平均寿命から考えると

女性はもちろん、男性でも損益分岐点(81〜82歳)近くまで生きる可能性があります。 つまり多くの人が損益分岐点を超える可能性があるといえます。ただし、平均寿命はあくまで目安であり、個人の健康状態や生活習慣によって大きく異なります。

繰下げ受給が向いている人

健康状態が良い

長生きする可能性が高い人ほど有利です。損益分岐点の81〜82歳を超えて生きる見込みがある方に向いています。

65歳以降も働く予定

給与収入があるため、年金を急いで受け取る必要がありません。在職老齢年金の仕組みも考慮しながら検討しましょう。

貯蓄に余裕がある

70歳まで生活費を確保できる人に向いています。繰下げ期間中の生活費の見通しをしっかり立てることが重要です。

長生きリスクに備えたい

90歳、95歳と長生きした場合の安心感があります。長寿リスクに対するヘッジとして繰下げは有効な手段です。

繰下げ受給が向いていない人

65歳から生活費が必要

年金を受け取らないと生活が厳しい場合は、繰下げは難しい選択です。まず生活の安定を優先しましょう。

健康に不安がある

平均寿命より短くなる可能性が高い場合は不利になることがあります。持病の状態や家族の寿命傾向も参考にしましょう。

貯蓄が少ない

繰下げ期間(65〜70歳など)の生活費を確保できない場合は注意が必要です。無理な繰下げは家計を圧迫します。

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繰下げと繰上げはどちらが得?

繰下げ受給とよく比較されるのが繰上げ受給です。繰上げは60歳から受け取れますが、毎月の年金額が減ります。どちらが得かは個人の状況によって異なります。

繰上げ受給

  • 60〜64歳から受け取れる
  • 毎月の年金額は減る
  • 1か月早めるごとに0.4%減額
  • 早くお金が必要な人向け

繰下げ受給

  • 66〜75歳から受け取れる
  • 毎月の年金額は増える
  • 1か月遅らせるごとに0.7%増額
  • 長生きするほど有利

どちらが得かは健康状態・資産状況・働く予定によって異なる

繰下げかどうかを決める前に、まず自分の年金額を確認し、生活費とのギャップを計算しましょう。 元の年金額が高いほど繰下げによる増額効果も大きくなります。

よくある質問

Q

年金を70歳まで繰下げると何%増えますか?

A

42%増額されます。1か月繰下げるごとに0.7%増え、65〜70歳の60か月分で0.7%×60か月=42%になります。

Q

損益分岐点は何歳ですか?

A

一般的には81歳〜82歳前後です。それまでは65歳から受け取った方が累積受給額が多く、それ以降は70歳から受け取った方が累積受給額が多くなります。

Q

75歳まで繰下げるとどうなりますか?

A

84%増額されます(0.7%×120か月)。月15万円の場合、75歳受給では月27万6,000円になります。ただし受給開始が10年遅れるため、損益分岐点はさらに高い年齢になります。

Q

繰下げ受給は誰でもできますか?

A

老齢年金の受給権があり、受給開始前であれば原則可能です。ただし、加給年金や振替加算などの加算額は繰下げ対象外になる場合があるため、事前に年金事務所に確認することをおすすめします。

Q

繰下げ途中でやめることはできますか?

A

はい、繰下げを取りやめていつでも受給を開始できます。また、70歳以降であれば、過去5年分をさかのぼって一括受給する「繰下げみなし増額」を利用できる場合もあります。

まとめ

  • 年金は66〜75歳まで繰下げ可能
  • 70歳まで繰下げると42%増額、75歳なら84%増額
  • 損益分岐点は81〜82歳前後
  • 長生きするほど繰下げが有利になりやすい
  • ただし生活費・健康状態・貯蓄も考慮が必要
  • まずは自分の年金額を把握することが重要

繰下げ受給が得かどうかは人によって異なります。まずは将来の年金受給額を確認し、生活費とのギャップを把握した上で受給開始年齢を検討しましょう。

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※本記事の内容は2025年度の情報をもとに作成しています。年金制度や受給額は毎年改定されるため、 最新情報は日本年金機構の公式サイトまたはFP・社会保険労務士にご確認ください。

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