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年金受給開始年齢繰上げ・繰下げ

年金受給開始年齢は何歳がベスト?
60歳・65歳・70歳・75歳を比較

読了目安:約8分 2025年度の情報をもとに作成

「年金は何歳から受け取るのが一番得なの?」老後資金を考えるうえで、多くの人が悩むのが年金の受給開始年齢です。

公的年金は原則65歳から受け取れますが、希望すれば60歳から繰上げて受け取ることも、66歳以降に繰下げて受け取ることもできます。ただし、受け取り始める年齢によって毎月の年金額は大きく変わります。

この記事では60歳・65歳・70歳・75歳の4パターンを比較しながら、何歳受給がベストなのかをわかりやすく解説します。

目次

  1. 1. 結論:受給開始年齢のベストは人によって違う
  2. 2. 年金は原則65歳から受け取れる
  3. 3. 60歳から受け取る場合:早く受け取れるが減額
  4. 4. 65歳から受け取る場合:もっとも標準的な選択
  5. 5. 70歳から受け取る場合:42%増額
  6. 6. 75歳から受け取る場合:最大84%増額
  7. 7. 60歳・65歳・70歳・75歳の比較表
  8. 8. 損益分岐点は何歳?
  9. 9. 受給開始年齢を決める5つのポイント
  10. 10. 受給開始年齢別に向いている人
  11. 11. よくある質問
  12. 12. まとめ

結論:受給開始年齢のベストは人によって違う

年金の受給開始年齢に、すべての人に共通する正解はありません。健康状態・貯蓄額・働く予定・家族構成・生活費・長生きリスクへの考え方によって、最適な選択が変わるからです。

考え方の目安

早く生活費が必要な人60〜65歳での受給を検討
標準的に受け取りたい人65歳受給が基本
65歳以降も働く・貯蓄に余裕がある人70歳以降の繰下げ受給を検討
長生きに備えたい人70〜75歳の繰下げ受給が有利になる可能性あり

年金は原則65歳から受け取れる

老齢年金は、原則として65歳から受け取れます。65歳で受け取る場合は、繰上げによる減額も、繰下げによる増額もないため、もっとも標準的な受給開始年齢といえます。

まず自分の年金額を確認しよう
同じ65歳受給でも、月8万円の人・月15万円の人・月22万円の人では受給開始年齢の選び方が変わります。年金受給開始年齢を考える前に、まず「自分はいくら年金をもらえるのか」を把握することが重要です。

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60歳から受け取る場合:早く受け取れるが減額される

年金は希望すれば60歳から64歳までの間に繰上げて受け取ることができます(繰上げ受給)。早く受け取れる一方で、毎月の年金額は減ります。

メリット

  • 早く年金を受け取れる
  • 退職後すぐの生活費に使える
  • 貯蓄の取り崩しを抑えられる

デメリット

  • 毎月の年金額が減る
  • 減額された金額は一生続く
  • 長生きすると総受給額で不利

60歳から受け取る場合、1か月繰上げるごとに0.4%減額されます(60歳なら最大24%減)。減額は一生続くため、退職後の生活費が足りない場合の選択肢になりますが、長生きした場合には不利になる可能性があります。

65歳から受け取る場合:もっとも標準的な選択

65歳受給は、もっとも基本的な選択です。65歳時点で退職し、年金を生活費に使いたい人にとっては自然な選択です。

メリット

  • 減額されない
  • 制度上の標準的な受け取り方
  • 判断しやすい

デメリット

  • 繰下げによる増額はない
  • 長生きした場合、繰下げ受給より総受給額が少なくなる可能性がある
特に、貯蓄が多くない・65歳以降は働かない・健康状態に不安があるという人は、65歳から受け取る方が安心しやすいでしょう。

70歳から受け取る場合:42%増額

65歳から受け取らず、70歳まで繰下げると毎月の年金額は大きく増えます。繰下げ受給では1か月遅らせるごとに0.7%増額されます。

0.7% × 60か月(5年)

= 42% 増額

例:65歳時点の年金が月15万円の場合

65歳受給

月額

15万円

年間

180万円

70歳受給

月額

21万3,000円

年間

255万6,000円

75歳から受け取る場合:最大84%増額

現在は75歳まで繰下げ受給を選択できます。75歳まで繰下げると10年間(120か月)遅らせることになり、年金額は最大84%増えます。

0.7% × 120か月(10年)

= 84% 増額

例:65歳時点の年金が月15万円の場合

65歳受給

月額

15万円

75歳受給

月額

27万6,000円

月額だけを見ると大きな増額ですが、75歳まで年金を受け取らないため、その間の生活費をどう確保するかが重要になります。

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60歳・65歳・70歳・75歳の比較表

65歳時点の年金額が月15万円の場合で比較すると以下のようになります。

受給開始年齢月額目安特徴
60歳約11万円前後早く受け取れるが減額(最大24%減)
65歳15万円標準的な受給(増減なし)
70歳21万3,000円42%増額
75歳27万6,000円84%増額(最大)
単純に月額だけを見ると、遅く受け取るほど有利に見えます。しかし実際には「何歳まで生きるか」によって総受給額は変わります。

損益分岐点は何歳?

繰下げ受給で重要なのが損益分岐点です。「何歳まで生きれば、繰下げた方が総受給額で有利になるか」という目安になります。

70歳まで繰下げた場合

65歳受給と比べた損益分岐点は、一般的に81歳〜82歳前後です。82歳以降も年金を受け取る場合は、70歳繰下げの方が総額で有利になりやすいです。

75歳まで繰下げた場合

75歳まで繰下げると、損益分岐点はさらに後ろになります。かなり長生きする前提で考える必要があります。そのため、75歳繰下げは健康状態に自信がある・75歳まで生活費に困らない・長生きリスクに備えたいという人向けの選択肢です。

受給開始年齢を決める5つのポイント

1

65歳以降も働くか

65歳以降も働く予定があるなら、年金を急いで受け取る必要はないかもしれません。給与収入で生活できる場合は、繰下げ受給を検討しやすくなります。

2

貯蓄がどれくらいあるか

繰下げ受給を選ぶ場合、年金を受け取らない期間の生活費が必要です。貯蓄が少ない場合は、無理に繰下げると生活が苦しくなる可能性があります。

3

健康状態

長生きするほど繰下げ受給は有利になりやすいです。一方で健康に不安がある場合は、早めに受け取る選択もあります。

4

毎月の生活費

生活費が高い人は、年金を早めに受け取る必要があるかもしれません。逆に支出が少ない人は、繰下げを検討しやすくなります。

5

配偶者の年金

夫婦の場合、自分だけでなく配偶者の年金額も重要です。世帯全体でどれくらい年金を受け取れるかを確認しましょう。

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受給開始年齢別に向いている人

60歳受給が向いている人

  • 退職後すぐに生活費が必要
  • 貯蓄が少ない
  • 健康状態に不安がある
  • 早く年金を受け取りたい

65歳受給が向いている人

  • 標準的に受け取りたい
  • 65歳以降は働かない
  • 大きなリスクを取りたくない
  • 判断をシンプルにしたい

70歳受給が向いている人

  • 65歳以降も働く予定がある
  • 貯蓄に余裕がある
  • 健康状態が良い
  • 毎月の年金額を増やしたい

75歳受給が向いている人

  • 長生きリスクに備えたい
  • 75歳まで生活費を確保できる
  • 年金以外の収入や資産がある
  • 毎月の年金額を最大化したい

よくある質問

Q

年金は何歳から受け取れますか?

A

原則として65歳から受け取れます。ただし、希望すれば60歳から64歳の間に繰上げて受け取ることも、66歳から75歳まで繰下げて受け取ることもできます。

Q

年金は70歳まで待った方が得ですか?

A

長生きする場合は得になる可能性があります。70歳まで繰下げると年金額は42%増えますが、65歳から70歳までの間は年金を受け取れません。損益分岐点は81〜82歳前後なので、それ以降も受け取り続ける場合に有利です。

Q

60歳から受け取るのは損ですか?

A

一概に損とはいえません。早く受け取れるメリットがある一方で、毎月の年金額は減ります(最大24%減)。生活費が必要な人や健康に不安がある人には選択肢になります。

Q

75歳まで繰下げるべきですか?

A

75歳まで繰下げると年金額は84%増えます。ただし、75歳まで年金を受け取らないため、生活費を確保できる人向けです。損益分岐点がさらに後ろになるため、かなり長生きする前提で検討する必要があります。

Q

繰上げ受給した場合、後から取り消せますか?

A

繰上げ受給は一度請求すると取り消しができません。減額された年金額は一生続くため、慎重に検討することが重要です。

まとめ

  • 年金受給開始年齢は原則65歳(60〜75歳で選択可能)
  • 60歳受給:早く受け取れるが最大24%減額(一生続く)
  • 65歳受給:増減なしのスタンダードな選択
  • 70歳受給:42%増額、損益分岐点は81〜82歳前後
  • 75歳受給:84%増額(最大)、長生き前提の選択
  • どの年齢がベストかは健康状態・貯蓄・働き方・生活費によって変わる

まずは自分の年金額を確認し、老後の生活費と合わせて考えることが大切です。65歳時点の受給額を把握した上で、繰上げ・繰下げを検討しましょう。

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※本記事の内容は2025年度の情報をもとに作成しています。年金制度や受給額は毎年改定されるため、 最新情報は日本年金機構の公式サイトまたはFP・社会保険労務士にご確認ください。

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