産休・育休中のお金を考えるとき、出産手当金や育児休業給付金に注目しがちです。
しかし、実際の手取りや家計への影響を考えるうえで、とても重要なのが「社会保険料の免除」です。 会社員の場合、毎月の給与から健康保険料や厚生年金保険料が差し引かれています。これらは金額が大きいため、産休・育休中に免除されると、家計への負担が大きく軽くなる可能性があります。
この記事では、産休・育休中の社会保険料免除の仕組み・対象期間・金額の目安・年金への影響・注意点をわかりやすく解説します。
目次
会社員や公務員など、勤務先の健康保険・厚生年金に加入している方は、条件を満たすと産休・育休中の社会保険料が免除されます。
免除の対象になる主な保険料
たとえば、額面給与が30万円前後の方であれば、健康保険料と厚生年金保険料を合わせて毎月4万円前後が差し引かれているケースもあります。産休・育休中にこれらが免除されると、出産手当金や育児休業給付金の金額だけを見るよりも、実際の家計負担は軽くなる可能性があります。
健康保険料は、病気やけが、出産などに備えるための保険料です。会社員の場合、勤務先の健康保険や協会けんぽなどに加入しており、毎月の給与から保険料が差し引かれています。産休・育休中に条件を満たすと、この健康保険料が免除されます。
厚生年金保険料は、将来の年金に関係する保険料です。毎月の給与から差し引かれている社会保険料の中でも、厚生年金保険料は金額が大きくなりやすい項目です。産休・育休中に厚生年金保険料が免除されると、毎月の負担軽減効果は大きくなります。
雇用保険料は、給与が支払われた場合にその給与に応じて発生します。産休・育休中に会社から給与が支払われない場合、雇用保険料も発生しないことが一般的です。ただし、会社から給与や手当が支払われる場合は、その内容によって扱いが変わることがあります。
社会保険料免除でどれくらい負担が減るかは、標準報酬月額や加入している健康保険、年齢、勤務先の所在地などによって変わります。ここでは、ざっくりとした目安を見てみましょう。
※上記はあくまで目安です。実際の免除額は、給与明細に記載されている健康保険料・厚生年金保険料を確認するとイメージしやすくなります。
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産休中の社会保険料免除は、産前産後休業期間が対象です。
産前
42日
出産日以前
多胎妊娠は98日
産後
56日
出産日の翌日以後
この産前産後休業期間について、勤務先が手続きを行うことで、健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。 出産予定日より早く生まれた場合や、遅く生まれた場合は、実際の対象期間が変わることがあります。
育休中も、条件を満たすと社会保険料が免除されます。育児休業を開始した月から、育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月までが免除対象になるのが基本です。
育休の免除対象(例)
4月10日から育休を開始し、翌年3月31日に育休が終了する場合
→ 一定の条件を満たせば4月から3月までの社会保険料が免除される可能性があります。
免除対象にならない可能性があるケース
男性の短期間育休(月末をまたがない育休など)
同じ月内で短期間の育休を取得した場合
月末時点で育休中でない場合
産休・育休中は、毎月の給与にかかる社会保険料だけでなく、賞与にかかる社会保険料も免除される場合があります。 ただし、賞与の社会保険料免除には条件があります。
免除される可能性がある場合
育休期間が一定の日数要件を満たす場合、賞与の社会保険料も免除対象になることがあります。
注意が必要な場合
短期間の育休取得で賞与保険料だけ免除されることを防ぐため、一定の日数要件などが設けられています。「育休中にボーナスが出るから必ず社会保険料が免除される」とは限りません。
産休・育休中の社会保険料免除で、多くの方が不安に感じるのが「保険料を払わないと将来の年金が減るのでは?」という点です。
結論:年金は減りません
産休・育休中の社会保険料が免除されても、将来の年金額を計算するうえでは保険料を納めた期間として扱われます。 つまり、免除された期間が未納扱いになるわけではありません。 厚生年金保険料を自分で払わなくても、将来の年金額を計算する際には、保険料を納めたものとして扱われます。
そのため、「社会保険料が免除されると将来の年金が減るのでは」と過度に心配する必要はありません。これは、産休・育休を取得する方にとって大きなメリットです。
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社会保険料が免除されている期間でも、健康保険の資格がなくなるわけではありません。 つまり、産休・育休中に健康保険料が免除されていても、健康保険証を使って医療機関を受診できます。
健康保険は引き続き使える
保険料が免除されていても、医療機関の受診・健康保険証の利用が可能です
産前後は医療機関の利用機会が増える
妊婦健診・出産・産後の体調不良・赤ちゃんの通院など、安心して使えます
産休・育休中は、健康保険料や厚生年金保険料が免除される一方で、住民税は原則として免除されません。
社会保険料と住民税の違い
住民税は、前年の所得をもとに計算される税金です。そのため、産休・育休中で現在の給与が少ない、または無給でも、前年に通常どおり働いて所得があった場合は、住民税の支払いが続くことがあります。
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産休・育休中の住民税はどうなる?払えないときの対処法も解説
産休・育休中の収入を考えるときは、社会保険料免除だけを単独で見るのではなく、給付金とあわせて確認することが大切です。
産休・育休中の手取り感を知るために確認すべき項目
これらを月別に確認することで、「いつ収入が減りやすいか」「どの月に支払いが重なるか」が見えやすくなります。
自分がどれくらい得するのか知りたい場合は、まず給与明細を確認しましょう。給与明細には、毎月差し引かれている社会保険料が記載されています。
給与明細で確認したい項目
健康保険料
免除対象(大きい)
厚生年金保険料
免除対象(最も大きい)
介護保険料
40歳以上の場合に発生
雇用保険料
給与がない場合は発生しない
計算例
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産休・育休から復職したあと、時短勤務を選ぶ方も多いです。時短勤務になると、復職後の給与が休業前より下がることがあります。
標準報酬月額の見直し
育児休業終了後に報酬が下がった場合には、標準報酬月額の見直し手続きが行われることがあります。給与が下がったのに高い社会保険料負担が続かないよう、勤務先に確認しましょう。
3歳未満養育期間の年金特例
3歳未満の子どもを養育している期間について、将来の年金額を計算する際に不利にならないようにする制度もあります。時短勤務でも将来の年金を守る仕組みがある点を確認しておきましょう。
「何月にいくら入って、どの支払いが残るのか」を把握するためにも、まずは育休・産休収入シミュレーターで月別収支を確認してみましょう。
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※本記事の内容は2025年度の情報をもとに作成しています。社会保険料免除の実際の金額・対象期間は、加入している健康保険・勤務先の手続き状況・育休取得状況によって異なります。 詳細は、勤務先の人事・労務担当または年金事務所にご確認ください。